マンスフィールド・パーク (ちくま文庫)
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内容(「BOOK」データベースより)
虚弱体質で内気な少女ファニーは准男爵家に引き取られ、伯母のいじめにあいながらもひたすら耐える日々を送っていた。いつしか感受性豊かな女性へと成長した彼女に、いとこのエドマンドへの秘めたる恋心が芽生えたが―。恋愛小説の達人で、皮肉とユーモアを愛するオースティンが、あえて道徳心の大切さを訴えた円熟期の作品。わかりやすい新訳で好評のオースティン長篇6作品個人全訳完結。
700ページ超えの大作
後半加速して面白くなって楽しく読めた
登場人物も多い
p4,5より
ファニー・プライス
貧乏で子沢山のプライス家の長女。十歳のときに、親戚の準男爵バートラム家に引き取られる。虚弱体質で神経過敏で、内気で無口で生真面目な少女。十八歳。
サー・トマス・バートラム
ノーサンプトン州マンスフィールド・パークの当主。準男爵で国会議員。西インド諸島に農園を所有。心はやさしいが、いかめしい態度をもつ厳格な家長。
バートラム夫人
準男爵夫人。ファニーの伯母。ものぐさでおっとりとして何もしない奥様。「私はファニーがいないと困るわ」が口癖
トム
バートラム家の長男。みんなから好かれるタイプだが、金づかいの荒い脳天気な長男の典型で、賭博というロンドンの悪に染まる。二十六歳。
エドマンド
バートラム家の次男で、牧師になる。誠実でやさしくて分別のある青年で、お世辞も冗談も言わない真面目な人間だが、なぜか美人に幻惑される。二十四、五歳
マライア
バートラム家の長女。たいへんな美人で、洗練された礼儀作法や女性としての教養は完璧だが、道徳心の欠如と激しい性格ゆえに道を誤る。二十一歳。
ジュリア
バートラム家の次女。姉とほぼ同じだが、つねに二番目に甘んじる。二十歳。
ノリス夫人
バートラム夫人の姉。ファニーの伯母。異常な指図好きで、常軌を逸した倹約家。マライアを甘やかし、ファニーをいじめ抜く。本編随一の濃いキャラをもつ。
グラント博士
マンスフィールド村の牧師。わがままな美食家で脳卒中予備軍。四十五歳。
グラント夫人
クロフォード兄弟の異父姉。良識と協調的精神をもった明るい女性。三十歳。
ヘンリー・クロフォード
ロンドンの快楽志向と堕落を体現する青年で、女性の恋心をかきたてることを何よりも好む。ノーフォーク州ヴァリンガムに年収4千ポンドの領地を持つ。
メアリー・クロフォード
ヘンリーの妹。兄と同じくロンドンの堕落を象徴するが、機知に富んだ(ときに不謹慎な)発言で小説を活気づける。2万ポンドの財産を持つ。
ラッシュワース氏
ノーサンプトン州の名家サザトン・コードの当主。年収1万2千ポンドの大金持ちで大地主の愚鈍な青年。マライアに一目惚れ。
ラッシュワース夫人
ラッシュワース氏の母。自分と息子のこと以外は何も考えない。
イェーツ氏
トムの悪友。貴族の次男という以外は何歩取り柄もない。ジュリアにご執心
プライス氏
ファニーの父。教育も財産もない、粗野で大酒飲みの退役海軍将校。
プライス夫人
ファニーの母。バートラム夫人とノリス夫人の妹。子供にたいしてえこひいきが強すぎる無能で愚かな母親。
ウィリアム・プライス
ファニーの兄。明るくて率直で礼儀正しい青年。ほほえましい兄弟愛がみんなの心を打つ。ヘンリーの尽力で海軍少尉に昇進する。十九歳。
スーザン・プライス
ファニーの妹。利発で機敏で物怖じしない正確。十四才。
クロフォード提督
クロフォード兄弟の叔父。二人の両親の死後、二人の後見人となるが、妻の死後、愛人を家に入れる。ヘンリーの悪いお手本で、不道徳というロンドンの堕落の象徴。
フレイザー夫人とストーナウェイ夫人
メアリーの悪友。お金がすべてというロンドンの堕落の象徴。
バートラム家の人々と、クロフォード姉妹の関係がメイン
登場人物紹介だけ読むと、ロンドンの堕落が酷いことが分かる
当時のイギリスでは、10時頃に朝食、16時頃に夕食の1日2食だったらしい
庭園管理が生活の大きな興味対象になっている
裕福な登場人物たちが特に働いている様子はなく、親の財産・制度のおかげでお金を得られている